ダージリン・ヒマラヤン鉄道 ダージリン・ヒマラヤン鉄道は610mm軌間の軽便鉄道ながら、82.1kmの区間で海抜119mのシリグリから海抜2,044mのダージリンまで登る世界有数の高原鉄道です.ダージリンは逆三角形のインドの右端に位置し、北にシッキム、中国チベット、東にブータン、西にネパール、南にバングラディシュに囲まれた町です.熱帯のインドにありながら、高原のすごし易さを持つこの地はイギリス統治時代より避暑地として栄えました.またベンガル湾に発生した暖かい空気がヒマラヤ山系に衝突して起こる霧は、お茶の木の栽培に最適で、ダージリンは紅茶でも有名な土地です.鉄道は1879年に着工され、1880年にカルーション(51.2km地点)まで、1881年には全線開通しました.建設が素早く行われた背景は、当時のイギリスの国力もさることながら、この鉄道にはトンネルが一カ所もなく路線のほとんどを既存の道路にそって建設したためだと言われています.線路は等高線に沿って少しずつ登っていき、どうしてものぼれない区間では、ループ線やスイッチバックで切り抜けています. この鉄道は現在も一部で蒸気機関車が使われています.機関車は1889年から1925年に、イギリスのノース・ブリティシュ社およびアメリカのボールドウィン社で製造された15トンの機関車で、独特のスタイルをしています. |
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