サバ州鉄道について 東マレーシア、ボルネオ島北部サバ州のサバ鉄道は英国統治時代に北ボルネオ会社が建設した1000mmゲージの鉄道です.単線で134kmの鉄道はコタキナバルのタンジュンアルからボーフォート間は海岸線、その先はパダス川沿いにジャングルの中に走りテノムに至っています.この鉄道はもともとは蒸気機関車で運行されていましたが、現在はすべてディーゼル化されています.現在これらの町を結んで道路が整備されており、小型バスによる往来の方が便利です.バスならばテノムまでは数時間であり、その先のボーフォートは鉄道と全く別の路線を走るため4時間で到着します.鉄道よりも早いため、道路の開通は多くの鉄道旅客を奪いました. 列車は通常客貨混合で運転されます.貨物にはしばしばジャングルから切り出した木材を運搬する貨車が連結されています.線路状態は悪くなっており、貧弱な管理しか出来ていません.1996年に私(Pter Crush氏)が最後に訪問したとき、私の乗った列車の運材貨車がジャングルの中で脱線しました.結局ボーフォートからの救援列車を数時間待つことになりました.もしあなたが十分な食べ物と飲み物を持っていなかったとしたらジャングルのなかでの数時間はとてもつらいことになるでしょう. |
サバ州鉄道 |
サバ州博物館には古い蒸気機関車が保存されています.これらの中には1913年製造のハンスレット2Cテンダー機関車、1912年製のハンスレット2C2タンク機関車「ラルフ・ホーン卿号」およびBタンクのスチームトラムがあります.さらにタンジョン・アルの機関区には、とても整備状態のいい1955年英国バルカンファンドリ製の機関車が保存されています.機関区長の話ではこの機関車は動態保存であり、線路状態の悪いこの鉄道でも、走らせることが出来るとのことです.私は鉄道にマレーシア連邦政府から補助金が出れば、線路の保守状態を改善できるのではないかと尋ねました.しかし区長はあまり希望は持っていない様でした.道路の整備がこの偉大な小さな鉄道を歴史の彼方に追いやることになるでしょう. |
サバ州博物館 |