
中国北京・上海駅撮り
中国の北京と上海の駅撮りです。中国では列車の出発時間の近くになると改札を始めるというやり方で、当時は乗客を送る目的で、入場券売り場で乗車券を見せた場合に入場券を販売するという方法でした。会社の名刺を見せて、是非見学したいと交渉を行ったすえに、なんとか入場券を入手して駅構内に入場しました。しかし現在は、爆破テロや、コロナ禍の影響のため、入場券の販売を停止している駅も多く、単に撮影のために駅に入るということは難しくなっています。(撮影:2007年)
北京駅 CRH2形電車




CRH2形は、中国鉄道部(現:中国国家鉄路集団)が導入した中国高速鉄道(China Railway High-speed, CRH)「和諧号」の一形式で、日本の新幹線E2系電車をベースにした高速電車です。川崎重工業の基本設計を中国南車四方機車車輛(現・中車四方)が量産したもので、アルミ押し出し材一体成形は中国製材料に変更され、電装系、制御装置も技術移転後中国製を採用しています。ホーム上にある大きな広告は「北京石景山楽園」で、2007年当時、ディズニーの世界観やキャラクターとの類似性が大きな話題となった遊園地です。
北京駅 CRH5形電車


CRH5形は、中国高速鉄道の「和諧号」シリーズの一形式で、イタリアのフィアット(後のアルストム)製“ペンドリーノ”系(ETR600系列)の輸入車をもとに中国北車長春軌道客車公司(現・中車長客)が現地生産を行い、2007年に営業運転を開始した車輌です。車体はアルミニウム合金製で、軽量構造の高速電車として設計されています。駆動方式はVVVFインバータ制御・三相誘導電動機駆動で、車体断面はやや小さく、ヨーロッパ規格の影響を残すスタイルです。
北京駅 東風(DF)4形ディーゼル機関車








東風(DF)4形は、中国国鉄を代表する大形ディーゼル機関車で、1969年に瀋陽鉄路局の大連機車車輌工廠で試作されたのち、1970年代以降、中国全土で大量に量産されました。製造は大連、戚墅堰、資陽など各地の工場で行われ、系列全体では4000両を超える中国最大のディーゼル機関車群となっています。 当初のDF4は旅客・貨物兼用の汎用形で、16V240ZJ型ディーゼルエンジン(定格出力2940kW)を搭載し、電気式の伝達方式を採用していました。車体は流線形のデザインを持ち、初期形では緑色と黄色の塗装が一般的でした。その後、改良型の登場により性能や用途が細分化され、DF4A、DF4B、DF4C、DF4Dなど多数の派生形が誕生しました。
北京駅 東風(DF)4D形ディーゼル機関車


東風4D形(DF4D)は、東風4系列の中で旅客牽引用に最適化された改良型として1990年代後半に登場し、中国各地の幹線で長距離旅客列車を牽引してきた代表的なディーゼル機関車です。製造は主に大連および戚墅堰の各工場で行われ、既存のDF4・DF4Bの実績を踏まえて、高速域での安定性と信頼性、保守性を高めました。中国鉄路のディーゼル化と電化が並行して進むなか、幹線の旅客列車には一定の高速性能と定時性が求められました。DF4Dはその需要に応えるため、旅客仕様の制御・ブレーキ・冷却・補機を強化しています。
北京駅 東風(DF)7C形ディーゼル機関車

東風(DF)7C形は、中国国鉄における入換・操車の運用および短距離貨物の牽引を主目的として開発されたディーゼル電気機関車です。東風7系列の改良型に位置づけられ、従来機の信頼性と整備性を受け継ぎつつ、低速域での大きな牽引力と粘着性能、操車場での取り回しの良さをいっそう高めました。製造は大連などの主要工場で行われ、全国で広く用いられています。中国鉄路の輸送体系では、長大編成の組成・解放を担う操車場の効率が重要であり、DF7Cはその現場ニーズに合わせて微速制御と連続入換作業に耐える冷却・補機系を備え、入換用としての信頼性を高めています。さらに、地方幹線や支線では短距離貨物列車の牽引にも就き、運用の柔軟性を発揮します。
北京駅 東風(DF)11形ディーゼル機関車


東風(DF)11形は、1990年代に登場した長距離旅客列車牽引用の主力ディーゼル電気機関車です。東風4系列で培われた実績を踏まえつつ、高速域の走行安定性・出力・保守性を高めて設計され、中国各地の非電化幹線や部分電化区間で快速・特快をはじめとする客車列車を牽引して活躍してきました。製造は主に戚墅堰(現・中車戚墅堰)を中心に行われました。電化の拡大が進む一方で、広大な非電化区間では定時性の高い旅客輸送を担う強力なディーゼル機が求められ、DF11は従来機に比べて高出力化と高速運転への適性を強化し、長大編成の旅客列車牽引に最適化された機関車として投入されました。
北京駅 韶山(SS)9形電気機関車




韶山(SS)9形は、1990年代末に登場した旅客列車牽引用の交流電気機関車です。開発・製造は株洲電力機車廠(現・CRRC株洲電力機車)が中心となり、1998年に試作車が完成し、2006年ごろまで量産が進み、総数で約200両が製造されました。軸配置はCo-Co(6動軸)で、定格出力約4,800kW、最高速度170km/hを備えます。高速域の安定性と粘着性能を重視して設計され、長大編成の客車列車を安定して牽引でき、電気ブレーキの信頼性も向上しており、連続高速運転に適しています。
北京地下鉄西直門・東直門駅 電車


西直門駅のH439は北京地下鉄13号線で使用されているDKZ5型電車です。13号線は北京市北部を東西に大きく環状に結ぶ路線で、軌間1435mm、延長40.9km、第三軌条式直流750Vの電化方式を採用しています。この電車は北京地鉄車輌廠で製造された6両固定編成で、アルミニウム合金製車体とVVVFインバータ制御方式を備えています。東直門駅のS418は1号線で使用されているDKZ2型電車です。1号線は1969年に北京で最初に開通した地下鉄で、苹果園(Pingguoyuan)~四惠東(Sihui East)間30.4kmを結び、軌間1435mm・第三軌条式直流750Vで運行されています。この電車は鋼製車体の6両編成で、チョッパ制御方式を採用しています。北京の地下鉄では、2017年までに地下区間の全駅でホームドア(屏蔽門)が設置されました。早期に開通した1号線と2号線では、通風を確保するために腰高の柵式バリア(Automatic Platform Gates=APG)となっていますが、その他の路線では天井までのフルハイト型ホームドアが標準となっています。
上海駅 東風(DF)4D形ディーゼル機関車

上海の東風(DF)4D形 0139は初期型で、北京の3000番台(後期形)DF4Dとは外観が異なります。側面は小窓が連続し、放熱ルーバーは区画の短いパネルが並ぶ配置で、屋根上機器の配置も異なります。中国の機関車塗色は、手すり・ステップ等の安全表示(黄黒警戒帯・反射材など)を除き全国統一規格はありません。ただし傾向はあり、かつての緑主体から、旅客用は青+クリーム、貨物・入換は橙・赤系が一般的になり、近年は赤+灰(銀)系によるシリーズ感のある外観が広がっています。
上海駅 東風(DF)7G形ディーゼル機関車

東風(DF)7G形は、東風(DF)7系列の発展型として操車場での入換(組成・解放)と短距離貨物の牽引に最適化されたディーゼル電気機関車です。既存のDF7/DF7Cで培われた信頼性を継承しつつ、低速域の粘着・微速制御・保守性を一段と高め、連続入換に耐える冷却・補機系と安定した低速牽引性能を備えます。港湾や工業専用線などの実務現場での取り回しの良さを重視して設計され、必要に応じて支線のローカル貨物運用にも就きます。
上海駅 東風(DF)11形ディーゼル機関車


2007年頃の上海では、京滬線(北京~上海)・浙贛線(杭州~株洲)の電化がすでに完了(2006年)し、韶山8形/9形の旅客列車が増えましたが、上海機関区のDF11は滬徐線(上海~徐州)、滬蚌線(上海~蚌埠)、上海~南京間で引き続き運用されていました。その後電気機関車が増備され、他の非電化幹線を抱える他局に順次配置転換されました。
上海駅 韶山(SS)7E形電気機関車


韶山(SS)7E形は、SS7系列(SS7/7B/7C/7D)の系譜を踏まえつつ、高速度運転に適合する幹線旅客列車用として開発された交流電気機関車です。製造は大同電力機車(現・CRRC大同)を中心に、大連機車車両も担当しました。軸配置はC–C(6動軸)、定格出力は約4,800kW、最高運転速度は170km/hです。幹線向けに主回路・補機系を最適化し、機器配置の見直しや主変圧器の改良、分散型コンピュータネットワークおよび補助変換器の採用によって、保守性と信頼性を高めています。
上海駅 韶山(SS)8形電気機関車


韶山(SS)8形は、1990年代に準高速の幹線旅客列車牽引を目的に開発された、軸配置Bo–Bo(4動軸)の交流電気機関車です。設計・製造は株洲電力機車廠(現・CRRC株洲)が担当し、1994年に登場、2001年ごろまで増備されました。定格出力は約3,600kW、最高運転速度は170km/hで、中国在来線の高速化初期を支えた快速・特快用の主力機として活躍し、のちの韶山(SS)9形やCRH時代へつながる旅客電機の高性能化に大きく寄与しました。
上海地下鉄龍漕路駅 電車

上海地下鉄3号線は、軌間1435mm、直流1500Vの架線集電方式による路線で、江楊北路駅から上海南駅までの約40.3kmを結んでいます。この路線で使用される02A型電車は、上海地下鉄車輌工場(現・上海地鉄車輛装備有限公司)の製造で、アルミニウム合金製車体とVVVFインバータ制御方式を採用しています。2007年当時はホームドアが未設置でしたが、現在は全駅で腰高の柵式バリア(Automatic Platform Gates=APG)が整備されています。これは、3号線の多くの区間が高架構造であるため、通風を確保する目的からフルハイト型(全高式)ホームドアではなく半高さ式を採用しました。