内田氏が安徽省に旅行した際に撮影した機関車です.形式ETとはEight Wheel Switcherの略で軸配置0-8-0を表し、満鉄では「エト」と呼ばれた形式です.ET7形はその7番目の形式の機関車ということになります.もともとこの機関車は1940~1942年にドイツのヘンシェルが設計した産業用機関車で、ポーランドではSLA型(シロンスク型)と命名されました.FABLOKでは保存されていた設計図をもとに改良して1959年~1962年に390両製造し、そのうち102両が中国の輸出されました.なおこの形式はポーランドが最後に製造した蒸気機関車です.戦後中国はソ連(現ロシア)経由で東欧の機関車が入ってきましたが、その中の一両です.現在も製造所銘版が残っており、それには以下の様に書かれています.
FABRYKA LOKOMOTYW
im F.DZIERZYNSKIEGO
5317 CHRZANOW 1959
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松家氏からの追加情報:この銘版は、KGBの創設者のポーランド人、F. ジェルジンスキを記念した「フェリクス・ジェルジンスキ記念機関車工場」だと思います.フェリクス・ジェルジンスキについては、FD型の名称にもなっています.表記が異なるのは、前者がポーランド語形、後者がロシア語形をラテン文字化した表記だからです.現在はBUMAR - FABLOK S.A.(http://www.fablok.com.pl/)という社名になっているようです.
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