D50形蒸気機関車

大正時代後半から増加した貨物輸送に対処するため9600形より強力な機関車が求められ、大正12年(1923年)から昭和6年(1931年)に汽車製造、日本車輌、川崎、日立で380両が製造されました。当初は9900形と呼ばれていましたが、昭和3年にD50形と改称され、各地の幹線貨物輸送に使用されました。そのうち1輌が中国大陸の華北交通向け標準軌間に改造して供出され、戦後ミカ16形となりさらに昭和28年(1953年)の形式名称改正で解放16形となりましたが、昭和30年(1955年)時点で存在しなくなったため形式消滅しています。車体が重いため貨物用蒸気機関車の主力がD51形、D52形に移るなかで、D50形は地方線区へと配置転換されていきました。その後78輌がD60形に改造されましたが、最後は昭和46年(1971年)まで使用されました。現在2輌が静態保存されています。
D50形 諸元
軸配置 | 2-8-2 | 動輪直径(mm) | 1,400 |
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機関車運転整備重量(t) | 78.14 | 軸重最大(t) | 14.99 |
炭水車運転整備重量(t) | 49.00 | 缶圧力(kg/cm²) | 13.00 |
全伝熱面積(m²) | 222.30 | シリンダ直径×行程(mm) | 570×660 |
火格子面積(m²) | 3.25 | 全長(mm) | 20,003 |
ボイラー水容量(m³) | 7.4 | 全高(mm) | 3,955 |
水タンク容量(m³) | 17.0 | 機関車長(mm) | 12,663 |
燃料搭載量(t) | 12.0 | 炭水車長(mm) | 7,340 |
動輪上重量(t) | 58.79 | 缶中心線高(mm) | 2,500 |